株式会社サンステラ(以下、サンステラ)は、Polymakerの複合材フィラメント「Fiberon™シリーズ」において、新製品「Fiberon™ ASA-CF08」の国内販売を開始した。同製品は、ASAの耐候性に加え、8%のカーボンファイバーを配合した複合材フィラメントである。屋外環境での使用を前提としながら、高剛性・低反り・外観品質のバランスを取りやすい材料として位置付けられる。曲げ強度は69.1MPa、荷重たわみ温度(HDT)は103℃を備え、温度変化や紫外線の影響を受けやすい環境でも安定した使用が可能とされる。
目次
ASA×カーボンで屋外対応と寸法安定性を両立
Fiberon™ ASA-CF08は、ASAベースのため耐候性に優れ、屋外設置を前提としたカバーやブラケット、設備周辺部品への適用が想定されている。さらに、カーボンファイバーを8%配合することで、剛性を向上させると同時に反りを抑制。寸法精度が求められる治具や筐体部品にも対応可能な特性を持つ。
外観品質と高速造形への対応
本材料はマットな質感を特徴とし、積層痕が目立ちにくい仕上がりを実現する。機能部品だけでなく、外観品質を求めるパーツ製作にも適している。また、最大350mm/sの高速造形に対応しており、試作から実用部品製作までの生産性向上にも寄与する。
想定用途
Fiberon™ ASA-CF08は以下の用途に適する。
・屋外設置を想定したカバー、ブラケット、固定具
・熱の影響を受けやすい周辺部品
・高剛性が求められる治具、実用品パーツ
・外観品質を重視した筐体・機能部品
屋外環境・高温環境・剛性・外観といった複数要件をバランス良く満たす材料である。

製品仕様
・フィラメント径:1.75mm
・重量:0.5kg
・推奨ノズル温度:260~280℃
・推奨造形速度:最大350mm/s
・推奨ベッド温度:90~100℃
・スプール内径:55±1mm
・スプール直径:200±1mm
・スプール幅:65.6±2mm
・スプール重量:140±7g
・カラー:6色
※推奨条件は使用するプリンターや環境により変動する。
取り扱い上の注意
カーボンファイバーを含有するため、硬化鋼ノズルおよび対応ギアを備えた機種での使用が前提となる。
Fiberon™シリーズと再編の方向性
Fiberon™は、短繊維や金属粉を配合したエンジニアリング用途向けの複合材フィラメントシリーズである。高強度・高剛性・耐熱性・寸法安定性を特徴とする。
Bambu Lab製3Dプリンター向けのスライスソフトには専用パラメーターが用意されており、複雑な設定を行わずに安定した造形が可能とされる。
また、スプールには端面強化設計が採用されており、サポート材使用時でも摩耗を抑えた運用が可能である。
今後、Polymakerのフィラメントは以下の3シリーズへ統合される予定である。
・機能性フィラメント「Polymaker™」
・美観フィラメント「パンクロマ™」
・複合材フィラメント「Fiberon™」
従来の「PolyLite™」「PolyMide™」「Polysonic™」などは、この新体系へ再編される見通しである。
編集部コメント
ASAベースにカーボンを加えた材料は既に一定の市場があるが、今回のFiberon™ ASA-CF08は「外観品質」と「高速造形」のバランスを前面に出している点が特徴的である。特に最大350mm/s対応という点は、近年の高速FDM機との相性を強く意識した設計といえる。単なる強度材料ではなく、実用部品としてそのまま使うことを前提とした材料設計にシフトしている流れが見て取れる。屋外用途・高温環境・外観品質を同時に求めるケースは製造現場でも多く、試作から実運用まで一貫して使える材料としての位置付けが広がる可能性がある。
用語解説
| ■ ASA(Acrylonitrile Styrene Acrylate) ABSに似た特性を持ちながら、紫外線や屋外環境に対する耐久性を高めた樹脂材料。屋外部品や車載用途などで使用されることが多い。 |
| ■ カーボンファイバー強化樹脂(CFフィラメント) 樹脂に炭素繊維を混合した材料で、剛性や強度、寸法安定性を向上させる効果がある。一方でノズル摩耗が起こりやすいため、硬化鋼ノズルが推奨される。 |
| ■ HDT(荷重たわみ温度) 一定の荷重をかけた状態で材料が変形し始める温度を示す指標。実使用環境での耐熱性能を評価する際に重要な値である。 |
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