Polymaker「Fiberon™ PETG-ESDフィラメント」日本発売 静電気放電対策対応の産業用3Dプリンターフィラメント

2025年11月6日
「 Fiberon™ PETG-ESDフィラメント」(出典:Polymaker、サンステラ)
「 Fiberon™ PETG-ESDフィラメント」(出典:Polymaker、サンステラ)

Polymakerの新ブランド「Fiberon™」シリーズより、静電気放電(ESD)対応のPETGフィラメント「Fiberon™ PETG-ESD」が日本市場に登場。販売はPolymakerの日本総代理店である株式会社サンステラ(以下、サンステラ)が担当する。ESD対策が求められる電子機器製造現場向けに、高靭性かつ造形しやすい特性を併せ持つ産業用フィラメントとして注目されている。

Polymaker製「Fiberon™ PETG-ESDフィラメントの概要

2025年10月30日、サンステラはPolymaker製「Fiberon™ PETG-ESDフィラメント」の国内販売開始を発表した。本製品は従来「PolyMax™ PETG-ESD」として展開されていたモデルのリブランディング版であり、材料組成や性能の変更はない。リブランディングによってPolymakerの製品体系が整理され、ユーザーが用途別にシリーズを選びやすくなった点が特徴的である。

Polymaker製「Fiberon™ PETG-ESDフィラメント特徴と改良点

Polymaker製「Fiberon™ PETG-ESDフィラメントは、静電気放電(ESD)による電子機器の損傷防止を目的に設計されている。PETG素材特有の成形性を維持しつつ、耐衝撃性(靭性)が高く、開放型3Dプリンターでも安定した造形が可能。

(出典:Polymaker、サンステラ)

主な仕様は以下の通り。

  • フィラメント径:1.75mm(±0.05mm以内)
  • 推奨ノズル温度:250〜290℃
  • 推奨ベッド温度:70〜80℃
  • 印刷速度:30〜300mm/s
  • 容量:500g巻(7,480円・税込)

PETG系でESD機能を備えたフィラメントは比較的少なく、開放機対応かつ高靭性という組み合わせは現場用途に適している。

ESD(静電気放電)とは

ESDとは「Electro-Static Discharge」の略称。電子デバイスに蓄積した静電気が放電する現象で、ICチップや回路を損傷させる主因の一つ。電子治具や生産治具をESD対応素材で造形することで、歩留まり改善や品質安定に寄与する。製造ラインではESD対策の有無が製品不良率に直結するため、樹脂選定の段階からESD性能を重視する傾向が強まっている。

Polymaker製「Fiberon™ PETG-ESDフィラメント性能比較・スペック表

項目Fiberon™ PETG-ESD一般PETG
静電気放電対応×
層間接着性高い標準
耐熱温度76℃(HDT@0.45MPa~70℃
靭性
印刷難易度

電子部品製造におけるESD治具・固定具・カスタムツールのほか、強度が求められる試作品や小ロット生産品への活用が想定される。黒色単一カラーで提供され、寸法安定性に優れる。

Polymaker製「Fiberon™ PETG-ESDフィラメント発売情報

  • 製品名:Fiberon™ PETG-ESD
  • 内容量:500g
  • 価格:7,480円(税込)
  • 発売日:2025年10月30日
  • 販売元:株式会社サンステラ(Polymaker日本総代理店)

Polymakerの企業情報・背景

Polymakerは高品質3Dプリンター用フィラメントで知られるグローバルメーカーで、年間出荷数は500万巻を超える。Jam-Free™技術などによる安定造形が評価され、産業用途での採用が拡大している。サンステラは10年以上にわたり、国内で3Dプリンター・スキャナー・材料の輸入販売を手がける専門商社であり、年間2,500台以上の販売実績を持つ。

編集部コメント

Polymakerのシリーズ再編により、機能性材料が「Fiberon™」ブランドへ集約されたことで、ESD・カーボン・メタルなどの用途別選定が容易になった。今回のリブランディングは、単なる名称変更にとどまらず、エンジニアリング樹脂分野における用途明確化の流れを示す動きといえる。


出典・参考リンク

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