AS9100D認証を取得。航空機のMROにおけるAM技術の利用促進を目指す―AFS
アディティブフライトソリューション(Additive Flight Solutions、以下 AFS)が、AS9100D認証を取得し、航空宇宙産業のグローバルサプライチェーン内の品質管理を統括する国際航空宇宙品質グループ(IAQG)に登録されたことを発表した。
(Photo byNathan Hobbs )
今回は、以下3点についてご紹介したい。
・AFSとは
・新たに取得した「AS9100D認証」とは
・今後の航空機におけるAM技術の利用促進について
AFSとは
2018年設立。
3DプリンタメーカーStratasysのAdditive Manufacturing(以下 、AM)に関する幅広い知識と、
シンガポールの航空機専門会社 SIA Engineering Company(以下、SIAEC)のメンテナンス、修理、オーバーホール(総称して、MRO)サービスに関する取り組みを組み合わせた合弁会社である。
さまざまな産業分野における部品生産のための3Dプリント技術の採用を加速させるため設立された。
(会社ロゴ:AFS公式サイトより引用)
新たに取得した「AS9100D認証」とは
AS9100D認証とは、航空、宇宙、防衛市場向けの標準化された品質管理・保証システムである。
この認証を取得することで、AFSのような製造サプライヤーは、関連する規制や法的要求事項を満たしながら顧客のニーズを満たすことが可能となる。
AFSはこの認証について、航空宇宙アプリケーションの開発を推進して高信頼性の精密設計ソリューションを提供する決意を示すものだと述べている。
今後の航空機におけるAM技術の利用促進について
航空宇宙産業は3Dプリンティングを採用した最初の産業の1つであり、ボーイング、エアバス、GEアビエーション、NASAなど幅広くAM技術が採用されてきた。
軽量で複雑な部品を製造する必要があるため、航空宇宙企業は3Dプリンティングを利用してコストを節約し、迅速に製造できるメリットを最大限活用している。
AFSでは現在、航空機内の内装部品、特に交換部品の生産に焦点を当てている。
それらは国内および世界のメーカーに供給されており、最近では地元航空会社の手指消毒器ホルダーの開発と製造をサポートしている。
AFSのDGM(Deputy General Manager)であるStefan Roeding氏は、今後の航空機のAM技術に関して以下のようにコメントしている。
航空機の内装の未来は、AM技術を用いた個々の部品の軽量化から、より快適なレイアウトやデザインに至るまで、革新的な方法により飛躍的な進化を遂げることが期待されています。
(プレスリリース記事より一部抜粋して引用)
AFSの目標は、機敏で費用対効果の高いスペアパーツ生産を実現し、コストの掛かる物理的なスペースや在庫リスクを軽減し、軽量で最適化された航空機部品のAM生産の可能性を実証することで、航空機のMROにおけるAM技術の利用を促進することです。
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3Dプリンターの繊細で創造性豊かなところに惹かれます。そんな3Dプリンターの可能性や魅力を少しでも多くの人に伝えられるような執筆を心がけています。