そろばんの珠を思わせる3Dプリンター製の照明が話題 ― 新工芸舎
京都を中心に活動する新工芸舎は、G-codeを巧みに操り、3Dプリンターによる独自の芸術表現を追求するアーティスティックなものづくりに取り組んでいる。そのオンラインショップであるNEW CRAFT SHOPでは、複数のネット媒体で話題を呼んだそろばんの珠をモチーフにした照明も取り扱われている。(上部画像はそろばんの珠を彷彿とさせるペンダントライト「~Soroban PENDANT」出典:新工芸舎)
そろばんの珠を彷彿とさせるペンダントライト「~Soroban PENDANT」
「繊細なレースのようなテクスチャが電球の眩しさを軽減し、柔らかな光を周囲に届けます。電球が見える透け感とテクスチャ同士が透けて見えることによる美しいモアレが特徴的です。編み重ねの積層角度を極限まで浅くすることによって透け感を生み出す「透かし編み重ね」という技法を使用しています。特に線径の細い透かし編み重ねは高度な造形技術を要し、たくさんの試行錯誤を繰り返して実現しています。透かし編み重ねの特徴が最大限に活かされるような形としてそろばん型の形状にたどり着きました。」と新工芸舎のサイトでは製品紹介文が掲載されているが、和を感じさせるハイセンスなデザインとなっている。
材質はPLA製。約200gと軽量で取り付けも通常の照明器具と同様で簡単だ。価格は165,000円。照明の傘の部分を3Dプリンターで造形することを前提に設計し、単色での造形以外にも、バイカラーやストライプなどの模様を入れることも可能で配色も自由に選べるという。16万円以上と決して安価な買い物ではないが、世界で一品だけの自分の照明にカスタマイズすることもできるのは好事家にとっては大きな魅力となるだろう。
新時代の工芸品を広めるための店
企業のビジネス内容を説明するアバウトページには、以下のような理念が掲載されている。
「新工芸店は新工芸舎の運営する、新工芸品を扱い、広めるためのお店です。新工芸はデジタルファブリケーションの普及によって可能になった新しいものづくりの姿です。3Dプリンターなどのデジタル工作機械はモノの生産活動を個人的な営みへと還元しつつあります。(特に樹脂においては)長らく量産技術によって大企業に奪われていた「作る」仕事が個人の手に戻ってきたのです。そんな新時代の工芸品を蒐集し販売するのがこの店の仕事です。新工芸舎の作るものだけではなく、広く同じ文脈を共有できる作品を取り扱いたいと考えています。」
デジタルなものづくりの中で、3Dプリンターの特性を深く理解しながら、独自のアーティスティックな取り組みを行うことで、従来にないものづくりの地平が見えてくる。
インテリア関連の記事
今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。
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