金属3Dプリンター製の脊椎スペーサーが「ものづくり日本大賞」最高賞——ナカシマヘルスフォースが第10回内閣総理大臣賞を受賞

ナカシマヘルスフォース(旧帝人ナカシマメディカル)第71回大河内記念技術賞 授賞式

医療機器メーカーのナカシマヘルスフォース株式会社(岡山市)が、「第10回ものづくり日本大賞」において最高賞である内閣総理大臣賞を受賞した。金属3Dプリンターを活用して骨の再生を促す構造と量産化を実現した脊椎スペーサーの開発が評価された。同社は2024年の井上春成賞(第49回)、2025年の大河内記念技術賞(第71回)に続き、国内製造業界の主要3賞を制覇した形となる。


「ものづくり日本大賞」とは

ものづくり日本大賞は、経済産業省・厚生労働省・文部科学省・国土交通省の4省が連携し、製造・生産現場の中核を担う人材や、特に優れた技術・製品開発の成果をあげた個人・団体を顕彰する表彰制度。内閣総理大臣賞はその最高位にあたる。

2005年の第1回開催以来、日本の「ものづくり」を支える卓越した技術や人材を広く社会に発信する役割を果たしてきた。金属3Dプリンターを使った医療機器が内閣総理大臣賞を受賞したことは、積層造形技術が日本のものづくりの最前線に位置づけられていることを示す出来事といえる。


受賞技術の概要——量産化が評価のカギ

今回の受賞対象は、脊椎スペーサーの開発。金属3Dプリンターを活用して骨の再生を促す形状(HTS構造)を実現したうえで、量産体制を確立した点が特に評価された。

HTS構造とは何か

HTS構造(Honeycomb Tree Structure)は、大阪大学大学院の中野貴由栄誉教授との産学連携研究から生まれた独自の多孔体構造。健常な骨に見られる「骨基質配向性」を誘導するように設計されており、インプラント周囲に強固で自然な骨再生をもたらす。金属3Dプリンター(LPBF方式)でのみ精密に再現できる。

「作れる」から「量産できる」へ

  • ISO13485準拠の品質管理体制
  • チタン合金粉末の管理から造形・後処理・検査・滅菌までの国内一貫生産
  • 患者ごとのオーダーメード対応から標準品量産まで対応できる柔軟な生産体制

3賞連続受賞が示すもの

概要
2024年 第49回 井上春成賞 産学連携で実用化。大阪大学との共同受賞
2025年 第71回 大河内記念技術賞 生産技術分野の国内最高権威。70年以上の歴史
2026年 第10回 ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞 4省連携の最高賞。社会実装・量産化が評価ポイント

シェアラボ編集部コメント

「ものづくり日本大賞」の内閣総理大臣賞は、技術の先進性だけでなく「社会への実装・普及」も審査の重要な基準となっている。今回の受賞で評価されたのは、実際に患者の体内に椎え込まれる医療機器として製品化・量産化を達成した点だ。国内における医療AM(アディティブ・マニュファクチャリング)の到達点を示すマイルストーンといえる。

📷 アイキャッチ画像出典:ナカシマヘルスフォース株式会社 「受賞歴」ページ(https://www.nhf.co.jp/rd/performance_01/)より。第71回大河内記念技術賞 授賞式写真。注:第10回ものづくり日本大賞の公式授賞式写真が公開され次第差替え予定。

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