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3Dプリンティング技術を活用した低価格の3Dプリント義足、日本向け製品を発表-インスタリム

3Dプリンティングおよび機械学習(AI)技術を活用して低価格な3Dプリント義肢装具を開発するインスタリム株式会社(以下、インスタリム)は、世界初の3Dプリント義足の、日本向け製品を発表した。
(写真:Instalimb Type-L(右2種類)とType-E(左2種類)/インスタリムより引用)

※「世界初」…インスタリム調べ。試供品提供ではなく、事業化を前提としたカスタム量産体制が構築された3Dプリンタ・CAD義足事業として

今回は、義足ユーザーの不満の声から誕生した3Dプリント義足の開発背景と、その特徴についてご紹介したい。

3Dプリント義足の開発背景

日本における従来の義足は、多大な製造過程・設備コストや、患者個人に合わせて製作する義肢装具士の技術力が必要となるため、一般的に1本あたり30~100万円と高価で、また納期に通常2~3週間程度かかる。そのため、ほとんどの場合義足ユーザーは、医療保険や補助金を利用して生活に最低限必要な1本の義足しか購入できないケースが多く、日常生活やスポーツをする場面で多くの不便を感じていた。

そんな社会課題を解決するため、インスタリムは必要とするすべての人が、義肢装具を手に入れられる世界を作る」という企業理念のもと日本の義足ユーザーのニーズに合わせた、新しい日本向け製品2種の義足を開発した。

日本向け3Dプリント義足とは

Instalimb Type-LとInstalimb Type-Eの2タイプの展開。これら2タイプ、4種の義足は、数万円〜十数万円と安価で、保険・補助金に頼らずに購入できる義足であり、義足ユーザーが普段使いしている義足にプラスして、2本目として購入が可能。2本目の義足を使い分けることで、義足ユーザーが持つ不便を解消することが目的だ。

1. Instalimb Type-L(Life):生活用の義足

特徴

  • 靴を脱いで使っても、立っていることに疲れない
  • 数万円代と安価なので、靴・サンダル毎にいくつも製作可能
  • 防水性能があり、海・プール・温泉などのシーンで利用できる

義足ユーザーから「購入した義足によりカカトの角度が固定されてしまうため、家の中など靴を脱いだ状態では1〜2cm背伸びするような体勢となり、長時間立ち続けることが難しいため、裸足で履くのにちょうど良い、家用の義足がほしい」
「1種類の靴しか選べないため、十分にオシャレを楽しめない」などの声から誕生した。

2. Instalimb Type-E(Exercise):軽運動用の義足

特徴

  • 十数万円と安価な価格でスポーツ用途に適切な「板バネ」がついた義足を入手可能
  • 気軽にスポーツが始められる
  • 鬼ごっこなどの子供との触れ合いなどで、走る・ジャンプするなどが容易になる

「スポーツ用義足は高価(50万円〜100万円以上)かつ保険適用外で購入することができず、簡単な運動を始めることが難しい」
「購入した義足に防水機能がないため、プールや海に行き運動することが難しい」というスポーツを気軽に楽しみたいユーザーの声から誕生。

実際のユーザーの声については、以下の動画をご覧いただきたい。

低コスト・早期提供の理由

インスタリムは、義肢装具製作専用の3Dプリンターや形状レコメンド機能などを備える3Dモデリングソフトなどからなる義足のカスタム量産ソリューションを独自開発し、従来の約10分の1となる義足価格のコストダウン・納期短縮を可能とした。

カスタム量産ソリューションとは、いわゆるマス・カスタマイゼーションを指し、ユーザー個人のニーズに応じたカスタマイズと、大量生産並みの低コストな供給を両立する生産システム。義足の提供には患者一人一人の断端(切断部)の形状に合わせた製造が不可欠であるため、世界的な普及には、低コストな大量生産とパーソナライズされた受注生産を兼ね備えた提供が不可欠である。

元々はフィリピンの義足を購入することができない、特に貧困層に向けて開発がはじめられたもので、いまではフィリピンでは200名以上のユーザーに利用されている。今後は日本にも生活用に追加の義足や、軽いスポーツ用の義足が欲しい、でも買えないという義足ユーザーに提供していきたいとのこと。

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シェアラボ編集部 | + posts

3Dプリンターの繊細で創造性豊かなところに惹かれます。そんな3Dプリンターの可能性や魅力を少しでも多くの人に伝えられるような執筆を心がけています。

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