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【3Dプリンター導入④】有効活用するための運用方法

導入~設置までが滞りなく完了したら、いよいよ運用開始です!ところがいざ始めてみると、思い描いていたような製造物ができあがらない……。多額の費用と時間をかけて導入したにもかかわらず期待外れの仕上がりとなり、そのまま活用しきれず終わってしまう、という悲しい結末もあり得るのです。

3Dプリンターを有効活用するための運用方法のポイントを分かりやすくご説明します。

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設置・運用開始前のポイント

  • 無計画に運用するのではなく、目的や造形したいものを明確にして導入/評価/運用する
  • 余裕をもったスペックの装置を選定しておく
  • 運用では「データを作る」「装置の操作をする」「統括する」の3つの立場の人が必要
  • テスト運用の期間は十分にとり、評価スケジュールと独自の評価基準を設けて評価を繰り返す
  • 小さいところから導入~運用して、徐々にステップアップしていけば導入成功率は高くなる

3Dプリンター運用がうまくいかない失敗例と理由

計画性の欠如

運用がうまくいかない理由でよくあるのが、明確な導入目的や造形したい対象が曖昧で、無計画に導入を進めてしまうケースです。

業務用3Dプリンターの導入が先んじて決まり、関係する各部署から選抜されたメンバーでプロジェクトチームが発足。しかしながら作りたいものが明確になっておらず、いろいろと造形してみるものの、造形物のクオリティが安定しない……。やがてプロジェクトチームの責任者がいろいろ試してみる以上の使い方に及ばず、そのまま3Dプリンターが放置されるようになる――という話があります。

3Dプリンター導入を検討する初期段階から、

  1. どのような用途に用いるのか
  2. 何を作りたいのか

を明確に定め、それに沿って機種を選定し、導入から運用までのスケジュールも綿密に立てねばなりません。特に事業に用いる業務用・産業用3Dプリンターはいずれも高額ですから、「導入してみよう!」と勢いで購入すると、用途とズレることがまま起こります。3Dプリンター導入においては最初が肝心なのです。

イメージと実物の乖離

次に多い失敗例が、イメージしていた造形ができなかったケース。

用途や造形物を明確に決め、それに則って機種を選定し、スケジュールも整理して無事導入。いざ製造を始めてみるものの、3Dプリンターの調整がうまくいかず、何度やっても思い通りに造形できない。やがて使用しなくなってしまう――というもの。

どんな3Dプリンターにも言えることですが、まずは導入する3Dプリンターを使いこなせることが重要であり第一歩です。導入前に装置の特性を十分に理解し、調整や操作に慣れておく必要があります。そのために大事になるのが、正式な運用前の十分な試験期間の確保です。その段階で分からないことや不明点がある場合は、専門家に相談して解消しておきましょう。

操作の習熟度の浅さから使いこなせないケースのほか、導入する3Dプリンターが希望する造形物を生み出せるほどのスペックを備えていないというケースもあります。造形サイズがギリギリの大きさだったり、微妙に精度が低くてクオリティが満たされなかったり、といった場合も。

3Dプリンターそれぞれに特性・特徴があるので、仕様ギリギリでの利用だと微妙にオーバーした際にリカバリーがきかなくなります。サイズ・品質・時間それぞれに余裕を持たせた3Dプリンターの選定と事前の試験運用期間を設けるようにしましょう。

3Dプリンターを安定運用させるためのカギ

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3Dプリンターの運用において、以下の3つの担当者から成るチームが必要です。

  1. データ作成担当
  2. 操作担当(オペレーター)
  3. 統括者

それぞれひとりずつ立てるのがベストで、部分的に兼務する形であっても、この3つの役割は必須と言えます。

データ作成担当

3D CADデータを作る担当者は、3Dプリンターの特性を理解した上で造形を行うためのモデリングデータを作成していきます。サポート材の取り付け方なども含め、どのように造形していくのかを考えながら、3D CADでデータを作成していく能力が必要です。

操作担当(オペレーター)

オペレーターに求められるのは、3Dプリンターの基本的な操作能力と調整力、さらにメンテナンスに対する日々の意識です。3Dプリンターで使用する材料やメンテナンスパーツの在庫管理、付帯設備の管理もせねばなりません。

統括者

3Dプリンターの運用状況を俯瞰的に管理・統括するのがこのポジションです。実際の造形時に出てきた問題に対し、オペレーターから設計者へ橋渡しをし、フィードバックをかけるといった運用時の調整役でもあります。担当部署の部門長が担うことが多いですね。

次のステップまで見越しての運用を

導入から運用までのスキームをしっかり定め、第一歩となる最初の導入が成功すれば、ひとまずはOK。

ですが、その流れのなかで、2台目、3台目と導入が予定されている場合は、そこまでの流れも想定して調整しておく必要があります。もっとも費用や時間といった導入時のコストを最小限に抑える意味で、先まで見越した運用を心がけましょう。

まとめ

初めての業務用3Dプリンター導入、うまくいかないことも少なくないと思います。それも、事前の準備によって溝を最小限にとどめられるので事業を大きくドライブさせるための業務用3Dプリンター導入を成功に導くためにも、最初の一歩となる導入スキームの作成は綿密に行いましょう。

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