前田技研、新たな受託造形サービスを開始し大型3Dプリンターによる部品製造市場を開拓へ
株式会社前田技研は、株式会社ExtraBoldが開発、製造する大型3D付加製造機EXF-12を用いた造形受託サービス事業を開始した。
前田技研とは
前田技研は、主に自動車産業を対象として、設計、試作、金型製造、ライン製造、設備保全までを一貫して請け負う部品メーカーだ。
従来工法の改良のみならず、新たな工法の開発にも積極的に取り組んでいる。そのうちの一つが大型3Dプリンターの導入だ。2018年から現在までに、Markforged MARK TWO、BigRepOne、EXF-12、KEYENCE AGILISTA-3200 などの大型3Dプリンターを導入した。
現在、大型3Dプリンターによる自動車部品製造はメジャーとは言い難い。しかし、前田技研は大型3Dプリンターによる未来のものづくりを強力に推進している。EXF-12を製造する ExtraBold社に出資し、自社内では 3Dプリンターに関する技術の蓄積に余念がない。
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EXF-12 を用いた造形受託サービスの開始
2022年3月、前田技研は新たな造形受託サービス事業を開始した。
造形受託サービス事業は、2023年2月に竣工予定の前田技研の新工場が完成するまでの間、ExtraBoldの本社(東京都豊島区)内に設置された前田技研の「MG東京ファクトリー」にて行われる。
受託サービスに利用される大型3Dプリンター EXF-12 は造形スピードに優れ、部品の量産を志向している。12ftコンテナに積んで運搬でき、輸送性も高い。
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ExtraBoldは前田技研の造形サービス事業をバックアップするとともに、大型3Dプリントに関する顧客のニーズを取り入れ、今後の研究開発に活かしていく。
また、大型3Dプリンターによる部品製造市場を開拓することも、本事業目的の一つだ。
3Dプリンターには自動車生産の在り方を大きく変える力があるものの、業界では、未だ3Dプリンターができること、できないことについての理解が欠如している。自動車業界にも 3Dプリンターの効用を広く伝え、大規模生産へと繋げていこう、という狙いのようだ。
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