XYZプリンティングが3Dプリント事業から撤退
台湾に本社を構える3DプリンターメーカーのXYZプリンティング社が、3Dプリンター事業から撤退することが2023年7月1日付で同社のホームページで発表された。産業用3DプリンターのSLS部門をアメリカの3DプリンターメーカーNexa3D社に事業売却する予定だ。画像はXYZプリンティング社の3Dプリンター「ダヴィンチ-Pro-EVO」(出典:XYZプリンティング社)
XYZプリンティング社のSLS部門をNexa3D社に事業売却
XYZプリンティング社は産業用3DプリンターのSLS部門をアメリカの3DプリンターメーカーNexa3D社に事業売却すると発表した。SLS部門以外の、FDM方式などのデスクトップ3Dプリンターについても製品本体の販売を2023年9月15日を目途に終了させ、段階的に3Dプリンター事業から撤退することとなる。
これに合わせ、XYZプリンティング社が運営していた公式オンラインショップも、2023年9月15日に閉店する。
消耗品は代理店に供給
XYZプリンティング社の公式オンラインショップは閉店するが、これまで販売してきた3Dプリンター用のプリント素材や消耗品については、日本総代理店の株式会社イグアス(神奈川県川崎市)を通じて供給される。
また、3Dプリンターの修理やアフターサービスについては、製品ごとの状況により異なるものの、今後3年~5年間を目標にサポートできるよう努めるとしている。
XYZプリンティング社の製品は、デスクトップ3Dプリンターを中心に、個人だけでなく企業や学校でも広く導入されてきた。千葉県船橋市では、今年度から市内の全市立中学校27校にXYZプリンティング社の「ダヴィンチ Jr. Pro X+」と思われるデスクトップ3Dプリンターが導入されている。
このニュースについては、ShareLab NEWS内でも船橋市教育委員会を取材した記事を掲載している。詳しくは以下のリンクからご覧いただきたい。
手頃で高性能なデスクトップ3Dプリンターを提供する3Dプリンターメーカーの代表格であるXYZプリンティング社の事業撤退は、業界にとって大きなニュースだ。
同社は2019年から産業用3Dプリンター市場に進出し、企業としての成長も遂げている。それにも関わらず事業撤退を決定したのは、コロナ禍やウクライナ戦争の影響などさまざまな外的及び内的要因が重なり、事業をとりまく環境が大きく変化したことが要因だとしている。
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今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。
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