DMM.comに自動後加工機導入し、サポートを開始-3D Printing Corporation
株式会社3D Printing Corporation(以下、3DPC)は、合同会社DMM.com(以下、DMM.com)が2021年1月13日より開始する「PostPro 3D」による特殊表面処理サービスの技術サポートを行うことを発表した。(写真:PostPro 3D/引用:DMM.makeサイトより)
今回は、その背景と提供サービスをご紹介したい。
特殊表面処理サービス提供の背景
3Dプリンタ―によるものづくりの広がりは、ShareLa編集部でもご紹介してきたが、手触りや見た目が重視される部品や最終製品への利用が難しいのが現状だった。その理由は、溶解積層(FFF)方式やレーザー焼結方式等の3Dプリンタ―で造形したパーツに特有の表面のざらつきが発生してしまうことが原因のひとつだ。
今回、その原因を解消できるのが、AMT社の表面処理機「PostPro 3D」の特殊表面処理サービスである。DMM.comのDMM.make 3Dプリント事業部による3Dプリント品の「表面処理、後加工サービス」において、AMT社の日本総代理店である3DPCが本サービスの技術サポートを行うことに至った。
造形物の手触り・見た目を向上する後加工機-PostPro 3D
AMT社の「PostPro 3D」は、有機溶剤を使用した化学的処理によって、3Dプリンターで造形したパーツの表面を滑らかに仕上げる後加工機である。
こちらの写真は、左が表面処理前、右がPostPro 3Dで表面処理したパーツがである。使用3DプリンターはMarkforged(熱溶解積層(FFF)方式)で材料はOnyxを使用。見た目でもわかるように、寸法を大きく変化させることなく、3Dプリント品の表面を射出成形に近い品質にすることができる。さらに、防水性・気密性・塗装性などの機械特性を向上させることが可能だ。
<PostPro 3Dの特徴>
- 3Dプリンターで造形したパーツの表面の手触り・見た目を向上
- 防水性、気密性、塗装性、機械特性などを向上
- 熱溶解積層(FFF)方式、パウダーベッド方式(レーザー焼結方式、HP Multi Jet Fusion方式、高速焼結方式等)の3Dプリンタ―で造形したパーツに対応
- 80種以上の熱可塑性樹脂を試験済み
DMM.makeの「表面処理、後加工サービス」
「表面処理、後加工サービス」はDMM.makeの3Dプリントサービスで造形した製造物またはユーザーが造形した製造物に対し、利用用途に合わせて最適な表面処理・後加工を提供するサービスだ。
今後、「表面処理、後加工サービス」の「PostPro 3D」による化学的表面処理を利用することによって、個人の3Dプリンタ―ユーザーから企業のユーザーまで、手軽に表面品質が向上した3Dプリント品を入手でき、最終製品の製造や塗装等の応用の可能性を広げることが可能になる。
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