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乳がんを早期発見!3Dプリントされた装着型の超音波スキャナーを開発

ウェアラブル超音波スキャナー

マサチューセッツ工科大学(以下、MIT)の研究チームが、3Dプリント技術を活用して、ブラジャーに装着できるウェアラブル超音波スキャナーを開発。乳がんの早期発見と乳がん患者の全生存率の改善を目指す。(上部画像は開発されたウェアラブル超音波スキャナー。出典:MIT)


乳がん検査の合間に発生する腫瘍を早期発見

乳がんが初期の段階で発見できた場合、その生存率はほぼ100%だが、それ以降のステージで発見された腫瘍の場合の生存率は約25%まで低下する。

定期的なマンモグラフィ検診を受けていても、検診と検診の合間に発生し、進行することがある。このような合間に発生するがんはインターバルがんと呼ばれ、乳がんの場合は全症例の20~30%を占めるという。インターバルがんは、定期的な検診で発見されるものよりも進行性が強いことが多い。

ウェアラブル超音波スキャナーの装着イメージ
ウェアラブル超音波スキャナーの装着イメージ(出典:MIT)
ウェアラブル超音波スキャナーのプロモーション動画(出典:Conformable Decoders)

今回MITが開発したウェアラブル超音波スキャナーは、初期段階の腫瘍を発見し、乳がん患者全体の生存率を向上させることを目指し、自宅でも簡単に使用できるものとなっている。

ブラジャーに装着できる柔軟性のあるパッチで、ユーザーがパッチに設けられている道筋に沿って超音波トラッカーを手で動かし、乳房組織をさまざまな角度から画像化する。

今回の研究では、医療画像診断センターで使用されている、超音波プローブに匹敵する解像度の超音波画像が得られることが示された。ハニカム状の開口部を持つ、複雑な構造のウェアラブル超音波スキャナーは、3Dプリンターで制作されている。

超音波スキャナーの構造イメージ
超音波スキャナーの構造イメージ(出典:MIT)

研究チームは今後、被験者からデータを収集したあと、人工知能を使って画像の経時変化を分析できるようなワークフローを開発したいと考えている。これにより、数年ごとに撮影された画像を比較する放射線科医の評価に頼るよりも、より正確な診断を提供できる可能性が生まれる。

超音波技術を他の身体部位のスキャンに応用することも計画しているという。乳がんにとどまらず、さまざまながんの早期発見が簡単に行えるようになることは、医療業界の大きな前進につながる。


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