合同会社DMM.com(東京都港区)が運営する「DMM.make 3Dプリント」は、ストリートファッションブランドであるXLARGE、X-girl、MILKFED.、SILASなどを展開する株式会社ビーズインターナショナル(東京都目黒区)と連携し、3Dプリント技術を応用した商品開発を本格的に始動した。本取り組みは、アパレル業界における3Dプリント技術の活用として、日本初の試みである。今回の商品開発に採用しているStratasysの「J850 TechStyle」におけるアパレル商品化は、国内のアパレルブランドとしては今現在初の取り組みとなり、「TechStyle」におけるアパレル商品化も2025年7月時点で確認されていないという。(上部画像はDMM Groupのプレスリリースより。出典:DMM Group)
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「J850 TechStyle」日本初導入、布地への直接3Dプリントで新たな表現を実現
両社は2025年9月末の完成を目指して、Stratasysの最先端3Dプリンタ「J850 TechStyle」を使用した商品化の準備を進めている。このプリンタは、布地に対して直接3Dプリントを施すことが可能であり、日本国内への導入は今回が初めてである。従来の印刷方式と比較して、より自由度の高い立体表現と細かなテクスチャの再現を実現できることが特徴だ。
「J850 TechStyle」については以前シェアラボニュースでも紹介している。併せてご覧いただきたい。
布地への直接プリントで実現するサステナブルな高精度表現、3D技術が変えるアパレルの未来
「J850 TechStyle」は、すでに海外のファッション業界において注目を集めており、デニムやコットン、ポリエステル、リネンといった多様な素材に対して直接プリントが可能である。この技術を活用することで、個人ごとのサイズやデザインに応じた高度なカスタマイズが可能となる。使用可能な材料としては、柔軟性の高い「Agilus30」、シルクのような質感を再現できる「Vero」、透明なコーティングが可能な「ContactFlex」などがあり、最大で約60万色の表現と様々な仕上がりの質感を実現する。
また、布地に直接プリントするという特性から、スクリーン印刷や昇華転写印刷といった従来の大量生産方式に伴う無駄な資材消費を削減でき、環境負荷の軽減にも貢献する持続可能性に優れた技術といえる。
DMMの技術力×ビーズの創造性が融合、3Dプリントで切り拓く新たなファッションの地平
DMM.make 3Dプリントは、「誰もが3Dプリンティングを使いこなせる社会の実現」を掲げ、3Dプリント技術の普及と応用範囲の拡大を目指してサービスを提供している。今回のコラボレーションでは、DMM.makeが有する技術力と、ビーズインターナショナルのクリエイティブなブランド力を融合させ、新たなファッション表現の創出を目指している。2025年の発売に向けた商品開発はすでに始まっており、詳細については随時発表される予定だ。
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今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。
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