米Branch Technologyがホームレス向け3Dプリント住宅を建設
アメリカの建築系3Dプリンター企業Branch Technologyが、アメリカのアリゾナ州チャタヌーガ市にホームレス向けの住宅を3Dプリントで建築した。この取り組みは1年後に施策効果を評価し、結果が良好である場合拡大をしていく予定だ。(上部画像はブランチ・テクノロジー建設のホームレス向け住宅。出典:チャタヌーガ市のウェブサイト)
米自治体のホームレス向け住宅への取り組み
アメリカは世界でも有数の国力を誇る一方で、貧富の差が大きく、ホームレスが多数生活する。治安維持や社会福祉の観点から自治体がホームレス削減の取り組みを行っている。
テネシー州、チャタヌーガ市長のティム・ケリー 氏は「チャタヌーガのホームレス減らすことに関しては今まで大きな進歩を遂げてきたが、まだ取り組みは終わっていない。ホームレスへの支援的な住宅供給を引き続き強化し、注力し続ける。提携してくれたBranch Technologyとオリベット バプティストに非常に感謝している。」と語った。
宿泊施設のアイデアは、ケリー市長とスタッフの間のブレインストーミング(一種のアイデアを生み出す「集団発想法」)の産物だった。その件でBranch Technologyを訪問した際に、同社が地域社会への恩返しの一環として3Dプリントによる一時的なシェルターを検討していたことを知ったのである。それによりホームレスへの住宅供給はすぐに現実になる。
Branch Technologyのライアン・ラスク最高経営責任者(CEO)は「市との共同作業に参加できるのは光栄であり、当社の技術がホームレスの人々の尊厳を促進する一環として役立っていることをとても嬉しく思う。この試験的プロジェクトがどのような方向に向かうのか楽しみにしている。」と語る。
Branch Technologyの3Dプリント技術
住宅はBranch TechnologyのCompositeCoreで作られており、特許取得済みの3Dプリント技術を使用して構造格子を作成する。この「マトリックス」格子はユニットの設計に従って印刷され、ロボットアームでカットされた耐火断熱フォームと組み合わせられる。CompositeCoreパネルは現地に発送され、わずか数時間で組み立てられ、その後セメントベースの防水仕上げで仕上げるということだ。
チャタヌーガ市の今後の取り組み
チャタヌーガ市は、慢性的なホームレスの人々が生活を再建するための永続的な支援住宅を含む、手頃な価格の住宅供給の構築に引き続き注力していくとしている。今後2年間で130以上の住宅が利用可能になる予定で、これは今年初めに特定された約150人の慢性的なホームレスの大部分を収容することができる。
この活動を維持するために、ケリー市長はパートナーシップの強化と拡大を継続し、困っているホームレスのための住宅ソリューションを見つけるということだ。
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