世界一高い30mの3Dプリント建造物がスイスで建築中
チューリッヒ工科大学と、教育・研究と科学・文化と芸術などのテーマで活動する団体のNova Fundaziun Origenが、世界一の高さとなる3Dプリント建造物を建築する共同プロジェクトを進行中だ。30メートルにもなる白い塔の名称は「Tor Alva」。(上部画像は「Tor Alva」の完成イメージ。出典:「Tor Alva」プロジェクト公式サイト)
3Dプリントタワー「Tor Alva」の構造
タワーの中心的なデザインはねじれながら枝分かれするような形状の、3Dプリントされる32本の分岐柱で構成される。柱廊と螺旋階段が設けられ、最上階には45席を備えたステージが設置される。ステージでは演劇やコンサートが開催される予定だ。
タワーは完成後、5年間はその場に設置され、その後は別の場所で組み立て直せるよう、簡単に解体できる設計となっているとのこと。6階建てとして設計されており、塔の下部の暗い部屋から、上階に行くにつれ明るく風通しの良い部屋へと変化していくという。取り外し可能な膜によって冬の風や雪などの厳しい気象条件からも保護できる仕様だ。
3Dプリントタワー「Tor Alva」の建築方法
ロボットアームを備えた建築用3Dプリンターで部品ごとに造形され、パーツはトラックで現地に運ばれ、組み立てられる。3Dプリンターを用いることで構造上必要な場所にのみコンクリートを充填できるため、材料の消費量が大幅に削減される。
また、「Tor Alva」のようなデザイン性の高い建築物の建設には、3Dプリンターならではの型枠を必要としない性質が大いに生かされている。
100以上のタワーのパーツ造形には、合計で900時間を要する見込みだ。すでに建築は開始されており、2024年の半ばに完成する予定とのこと。
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