介護食品製造に革命をもたらす3Dプリンター技術の開発 ― 山形大学
山形大学が開発した介護食品を作るフード3Dプリンターは、見た目が本物に近い介護食品を作ることができ、患者の食欲増進が期待されている。古川 英光 氏をはじめとしたチームの研究開発により、栄養価や食感の調整が容易になり、個々の健康状態や好みに合わせた食事提供が可能になる見込みである。(上部画像はフード3Dプリンターで作った「野菜」のブロッコリー。出典:山形大学)
介護食品製造の新技術
高齢者や嚥下障害を持つ患者向けに特化された食品製造技術であるこのプリンターを用いることで、食材を細かく加工し、患者の嚥下能力に合わせた軟らかさや形状の食品を作ることができる。また、食品の見た目を向上させ、食欲を刺激することも可能である。この技術は、介護が必要な人々のQOL(生活の質)の向上に寄与すると期待されている。
技術開発の背景と目的
日本は数年前よりすでに高齢化社会を迎えており、介護が必要な人々の数が増加している。この状況を背景に、山形大学では介護食品の製造プロセスに革命をもたらす3Dプリンター技術の開発を開始した。この技術の目的はまず、見た目が魅力的で栄養価の高い介護食品を提供することである。技術開発により、食品の形状や硬さ、味のカスタマイズが可能になり、食の楽しみを取り戻すことが期待されている。そして、特徴としては食品の形状、硬さ、色を自由に調整できる点にある。
将来性と課題
将来的に高齢者や特別な食事ニーズを持つ人々への食事提供方法にこの技術は革命的な可能性を秘めているが、広範囲にわたる実用化には技術的な精度の向上、コストの削減、そして食品安全性の確保といった課題が存在する。これらの課題を克服することで、介護食品のカスタマイズと生産における新たな時代の到来が期待されている。
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