誰にでも使いやすいを具現化した家電向けアタッチメントチップを公開 ― パナソニック

2025年9月16日
パナソニックグループのプレスリリースより。

パナソニック株式会社デザイン本部(大阪府門真市、以下、パナソニック)は、家電製品に搭載されるフラットな操作ボタンを分かりやすくする「アタッチメントチップ」の3Dデータを制作し、その導入方法や利用事例をまとめたウェブサイトを2025年8月29日に公開した。このチップは、平坦な操作部に後付けで貼り付けるだけで、指先の感覚を通じてボタンの位置や方向を識別できるように設計されている。視覚情報に依存せず操作できるため、視覚障害者や高齢者に加え、一時的に視界が制限される状況でも役立つ。(上部画像はパナソニックのプレスリリースより。出典:パナソニック)

誰もが安心して操作できるためのアタッチメントチップ

パナソニックでは、多様な立場の人々とともに課題を見つけ、解決策を共創する「インクルーシブデザイン」を推進している。本アタッチメントチップも、視覚に制約のある人々や高齢者、子育て中のユーザーらと協力して開発された成果である。
公開されたウェブページでは、3Dプリンターを活用して誰でも利用できるよう、3Dデータの入手方法や活用例を紹介している。

主な掲載内容

  • 多様なユーザーの利用シーン紹介
  • アタッチメントチップの導入方法(貼付け・使用手順)
  • 3Dプリントデータのダウンロード方法とリンク情報

アタッチメントチップの特徴と狙い

  • 平らな操作部に貼り付けるだけで利用可能
  • 指先の触覚によってボタン位置や向きが分かる
  • 視覚障害のある方に限らず、視界が確保しづらい環境でも有効
(出典:パナソニック)
3Dプリントされた「アタッチメントチップ」(出典:パナソニック)

3Dデータの提供について

アタッチメントチップの3Dデータ(STL形式)は無償で公開されている。データは、特定非営利活動法人ICTリハビリテーション研究会が運営する「COCRE HUB(コクリハブ)」から取得可能である。

COCRE HUBは、3Dプリンタを用いた自助具作成を支援するプラットフォームであり、ユーザーが自由に活用できる環境を提供している。

さまざまな家電のボタンに対応できるよう、4種類の形状と8種類の記号を用意している。(出典:パナソニック)
さまざまな家電のボタンに対応できるよう、4種類の形状と8種類の記号を用意している。(出典:パナソニック)

アタッチメントチップが切り拓くユニバーサルデザインの未来

今回のアタッチメントチップ公開は、アクセシビリティとデザインの融合を具体化した事例であり、今後の展望としてさらなる応用拡大が期待される。3Dプリンター用データを一般公開したことで、利用者自身が必要に応じた形状やサイズをカスタマイズでき、個々のニーズに合わせた使い方が可能となる。今後は家庭用家電のみならず、医療機器や公共設備など幅広い分野への展開が見込まれ、社会全体のユニバーサルデザイン推進に寄与するだろう。また、オープンプラットフォームを通じた利用者との共創が進むことで、より実用的で多様なアタッチメントの開発が期待される。

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