3Dプリンターを活用したAMソリューション新会社「NTTデータザムテクノロジーズ」を設立-NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、株式会社NTTデータ ザムテクノロジーズを設立し、2020年7月1日より事業を開始した。新会社では、既存のAM技術(※1)に加えて、トポロジー最適化などコンピュテーショナルデザイン(※2)分野のテクノロジーを融合し、従来にない機能形状の製品製造を実現するとともに、NTTデータが持つデジタル技術を品質安定化や生産効率改善等にも活用し、製造業における革新的なものづくりを支援していくと発表した。(写真はNTTデータ ザムテクノロジーズ公式Webサイトより引用)
※1)AMとは、3Dプリンターを活用して樹脂や金属の粉末を一層ずつ重ねていくことで、3次元の造形物を製造すること。以前、AMについてShareLab編集部が取材を行っているので併せてご覧いただきたい。
※2)トポロジー最適化とは、設計したい空間にどのように材料を配置すれば最適な構造となるのかを策定すること。一般にAMは在来工法に比べてより高性能な形状を製造する事が可能。トポロジー最適化を含め、人手による設計では不可能な複雑で高機能・高性能な形状をコンピューターの支援で設計する事をコンピュテーショナルデザインという。
NTTデータザムテクノロジーズ設立の背景と目的
同社は、これまで傘下のグループ会社において3Dプリンターの代理店事業を展開していたが、グローバル市場における3DプリンタによるAM技術の進展と関連マーケットの拡大を受け、設計、積層造形、後処理というAM技術のすべてのプロセスに対してAI/ITを融合させることで、飛躍的な事業発展につながると確信し、AMソリューション専業の事業会社を設立に至った。
また、同社はNTTデータが保有するAI技術を活用できる強みがあり、現状多くの場面でベテランの勘や経験によってなされている検査や審査といった業務をマルチモーダルAIで自動化・高速化する技術開発の活用など、今後の事業展開に期待が高まる。
新会社の事業展望
グローバル市場も視野に、2025年に事業規模100億円を目指す
新会社では、販売代理店として、3Dプリンターの販売、保守、ならびに材料の開発、販売を行うとともに、3Dプリンターに適した設計支援を行うDfAM(※3)領域におけるコンサルティングサービス、研磨等の後工程も含めた製造受託の事業を展開。今後は、製造プロセスの高度化に向け、NTTデータの保有するAI技術を活用するとともに、海外も含めた先進企業との積極的なアライアンスを実施し、事業拡大を行い、2025年に事業規模100億円を目指すとのこと。
※3)DfAMとは「Design for Additive Manufacturing」の略で、 3Dプリンティング を活用したものづくりに取り組む際の設計手法やデザインガイドラインを意味。
社名の由来
「NTTデータ ザムテクノロジーズ」という社名は、AMにXを付与した「XAM(ザム)」から発想。「X」には、無限の可能性や未知へのチャレンジ、革新の意味が込められている。「XAM」は、新会社がAM技術と英知を掛け合わせることによって、ものづくりで無限の未来を切り開く決意を示す。NTTデータシステムソリューションズのAM事業のみがスピンオフした形だ。
関連Webサイト
3Dプリンターの繊細で創造性豊かなところに惹かれます。そんな3Dプリンターの可能性や魅力を少しでも多くの人に伝えられるような執筆を心がけています。