Formlabs、深圳でパートナーサミット開催 新型SLS 3Dプリンター「Fuse X1」をアジア太平洋地域で初披露

2026年8月5日
出典:Formlabs
出典:Formlabs

Formlabsは中国・深圳でパートナーサミットを開催し、新型SLS(粉末焼結積層造形)3Dプリンター「Fuse X1」をアジア太平洋地域で初めて披露した。イベントでは同社の事業成長や今後の戦略に加え、地域パートナーとの連携強化や技術支援体制の拡充についても説明が行われた。

年間売上高2億5,000万ドル超、グローバルで成長を継続

サミットの冒頭では、共同創業者兼CEOのマキシム・ロボフスキー氏がFormlabsの事業状況を紹介した。

同社は年間売上高が2億5,000万ドル(1ドル150円換算で約375億円)を超え、急速な事業成長と継続的な収益性を両立しているという。

世界の製造業でデジタル化が進む中、Formlabsは研究開発への投資や製品ラインアップの拡充を継続し、グローバル市場での事業拡大を進める方針を示した。

また、ロボフスキー氏はパートナー企業が同社の成長を支える重要な存在であると強調。アジア太平洋地域でも販売・技術支援ネットワークへの投資を続け、各地域で再現可能な成功モデルを構築していく考えを示した。

新型「Fuse X1」で産業用SLSラインアップを強化

イベントでは、2026年6月にグローバル市場で発表された新型SLS方式3Dプリンター「Fuse X1」が正式に紹介された。

Fuse X1はFormlabs初となる大型産業用SLSシステムであり、機能試作から少量多品種生産まで対応できるモデルである。高い生産性とスループットを実現しながら、総所有コスト(TCO)の削減にも貢献するとしている。

アジア太平洋地域ゼネラルマネージャーのジュディ・ピウコビッチ氏は、北米ではTesla Gigafactory Nevada、Radio Flyer、AutotivなどがFuse X1を導入し、製品開発の迅速化と製造コストの削減を実現していることを紹介した。

今後はアジア太平洋地域でもパートナー企業と協力し、同様の導入事例を広げていく方針である。

パートナー支援体制をさらに拡充

サミットでは、アジア太平洋地域への継続的な投資についても説明された。

主要市場での事業拡大に加え、販売や技術支援を担うパートナーエコシステムの強化を進め、地域の製造業におけるAM(アディティブ・マニュファクチャリング)の普及を後押しする。

最高収益責任者(CRO)のニック・グラハム氏も参加し、パートナー企業との意見交換を実施。今後の市場拡大やAM技術の普及に向けた協力体制について議論が行われた。

ライブデモや技術研修で導入をサポート

イベントではFuse X1のライブデモも実施され、造形から後処理まで一連のワークフローが紹介された。

Formlabsのアプリケーションエンジニアがシステム運用や材料選定、用途提案などについて実践的な技術指導を行い、パートナー企業の技術力向上を支援した。

サミット終了後、Fuse X1は深圳オフィス内のAPACカスタマーエクスペリエンスセンターへ常設される予定である。今後はデモンストレーションやアプリケーション評価、技術研修、パートナー向けトレーニングなどに活用される。

さらに同社は、地域密着型のアフターサポートや迅速なサービス体制を強化するとともに、営業や技術サポートに関する教育プログラムも拡充し、アジア太平洋地域での導入支援を強化していくとしている。

シェアラボ編集部コメント

FormlabsはこれまでデスクトップSLA市場で高い存在感を示してきたが、Fuseシリーズの展開により産業用途への対応も強化している。今回のパートナーサミットでは、新型Fuse X1の披露だけでなく、技術サポートや教育体制を含めたエコシステムづくりに重点を置いている点が印象的であった。

日本を含むアジア太平洋地域では、試作だけでなく少量生産への3Dプリンター活用が広がりつつある。機器性能だけでなく、導入後のサポート体制やパートナーとの連携が普及の鍵となる中、Formlabsの地域戦略が今後どのような成果につながるか注目される。

用語解説

SLS(Selective Laser Sintering:粉末焼結積層造形)
粉末状の樹脂材料にレーザーを照射し、必要な部分だけを焼結して立体物を造形する3Dプリント方式。サポート材が不要で、複雑な形状や機能部品の製造に適している。
Fuse X1
Formlabsが2026年に発表した大型産業用SLS方式3Dプリンター。機能試作から少量生産まで対応し、高い生産性と総所有コスト(TCO)の低減を目指したシステムである。
APAC(Asia-Pacific)
アジア太平洋地域を指す略称。日本、中国、韓国、東南アジア、オセアニアなどを含む広い地域を示し、多くのグローバル企業が地域統括拠点を設置している。

Formlabsの関連記事

今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中からピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

記事検索

2047の記事から探す

最新記事

編集部のおススメ記事