オーストラリアで南半球初の3Dプリント住宅建設計画がスタート
オーストラリアのメルボルンに本社を構える3Dプリント企業のLuyten社が、シドニーにある国公立大学のニューサウスウェールズ大学と協力して、メルボルンで3Dプリント住宅を開発する計画を発表した。南半球において初めてとなる、持ち家用の3Dプリント住宅となる。(上部画像はLuyten社のウェブサイト。出典:Luyten社)
AIを活用した建設用3Dプリンターで建築
メルボルンで実施される3Dプリント住宅建築は、2024年初頭にスタートする予定だ。建築にはLuyten社の建設用3Dプリンター「Platypus」が用いられる。特殊なコンクリートを材料に、人工知能を活用して造形を行う3Dプリンターだ。
ニューサウスウェールズ大学の研究グループで、次世代建築製造システムを意味する「Arch_Manu(Next-Gen Architectural Manufacturing)」は、建設のための設計専門知識の提供を行いつつ、オーストラリアにおける3Dプリント建設プロジェクトの新しい基準を作成。プロジェクトのデータ集計を担当する。
「Arch_Manu」のディレクターであるM. Hank Haeusler 氏は、今回の共同プロジェクトについて以下のように述べ、歓迎の意を表した。
「これはオーストラリアにおける3Dプリンティングの灯台となるプロジェクトであり、デザインとテクノロジーにおける最先端の研究を網羅し、研究成果を実践に生かすものです。これはオーストラリアの住宅を変えるでしょう。」
また、Luyten社のCEO兼共同設立者であるAhmed Mahil 氏は、以下のように述べている。
「ニューサウスウェールズ大学とのパートナーシップでは、優れた設計やプロジェクト管理など、3Dプリントの利点を文書化し、具体的な概念実証を提供するために協力します。このプロジェクトは、3Dプリント技術が持続可能で手頃な価格の住宅において、次のフロンティアを提供する理由の代表的な例を世界に示すでしょう。」
3Dプリンターを活用した住宅建設は、従来の建設方法と比較して、費用と時間、使用する資源量、温室効果ガス排出量の面で節約できることが多い。建設においてコンクリートの型枠を必要としない点は、特にメリットが大きいとされる。そして、住宅を購入する側にとってはコストを抑えて高品質な住宅を獲得できる可能性が大きくなる。
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