株式会社Polyuseは、同社の建設用3Dプリンタ技術による累計施工件数が300件を突破したと発表した。公共工事を中心に採用が拡大しており、建設用3Dプリンタの量産機「Polyuse One」の設置台数も40台に到達した。2026年度内には全国100台体制の構築を目指している。
目次
公共工事を中心に施工実績が300件を突破
Polyuseの建設用3Dプリンタは、2022年1月に国内で初めて国土交通省管轄工事で採用されて以来、公共工事を中心に導入が進んできた。今回、累計施工件数が300件を超えたことで、国内における建設用3Dプリンタの活用が着実に広がっていることが示された。
同社は2019年の創業以来、「人とテクノロジーの共存施工」を掲げ、建設業界の人手不足や社会インフラの老朽化、災害復旧などの課題解決に向け、国産建設用3Dプリンタの研究開発と社会実装を進めている。
「Polyuse One」は40台導入、全国100台体制を計画
2025年9月に販売を開始した量産機「Polyuse One」は、設置台数が40台に到達した。
今後は2026年度内に全国100台体制を構築し、日本全国で建設用3Dプリンタ技術へアクセスできる環境の整備を進める計画である。

型枠を削減し、省人化と工期短縮を実現
Polyuseの建設用3Dプリンタは、3次元CADデータをもとに専用モルタルを積層し、コンクリート構造物や型枠を製造する技術である。
従来必要だった型枠の製作や関連工程を省略できるため、省人化や工期短縮につながり、建設現場の生産性向上に貢献する。また、工期に制約がある現場では特に効果を発揮するとしている。
同社によれば、重力式擁壁や笠コンクリートなど幅広い施工に対応しており、2024年12月時点の土木学会の調査では、国内公共工事における建設用3Dプリンタ施工で90%を超えるシェアを占めている。
オンデマンド配信や導入支援も展開
Polyuseは、施工事例や施工効果をまとめた資料を公開しているほか、建設用3Dプリンタの基礎や施工事例、導入方法などを紹介するオンデマンド配信も実施している。




また、初回相談から3Dデータの作成、造形、品質確認、施工までを一貫して支援する体制を整備しており、全国の施工ネットワークを活用しながら建設用3Dプリンタの社会実装を進めていくとしている。
シェアラボ編集部コメント
300件という施工実績は、国内の建設用3Dプリンタ市場が実証段階から実用段階へ移行していることを示す一つの節目といえる。建設分野では施工実績そのものが信頼性につながるため、Polyuseが積み重ねてきた公共工事での実績は今後の普及を後押しする材料となりそうだ。
また、「Polyuse One」を2026年度内に100台まで拡大する計画が実現すれば、建設用3Dプリンタを利用できる地域が大きく広がる可能性がある。人手不足や工期短縮への対応策として、今後も建設現場での活用事例に注目したい。
用語解説
| ■ 建設用3Dプリンタ モルタルやコンクリート材料を積層して、構造物や型枠を造形する大型3Dプリンター。人手不足の解消や工期短縮、生産性向上を目的として土木・建設分野で導入が進んでいる。 |
| ■ 重力式擁壁 コンクリートなど構造物自体の重さで土圧に耐える擁壁の一種。道路や造成工事などで広く採用される代表的な土木構造物である。 |
| ■ 笠コンクリート 擁壁や構造物の上部に設けられるコンクリート部材。雨水の浸入を防ぎ、構造物の耐久性を高める役割を持つ。 |
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