Prusa Researchと有限会社名古屋工芸は、2026年7月1日から3日まで東京ビッグサイトで開催される「第38回 ものづくりワールド東京」に共同出展する。会場では、日本初公開となるシリコン3Dプリント技術をはじめ、マルチマテリアル造形システムや高温対応3Dプリンターなど、製造業向けの最新ソリューションを紹介する。
目次
FDM方式でシリコン造形を実現する新技術を日本初公開
今回の注目展示は、「Original Prusa XL」専用のシリコン3Dプリントヘッドである。


このヘッドは、特許取得済みの「Liquid Filament」技術を採用し、液状シリコンを充填した専用チューブをフィラメントのように装着して使用する。ツールヘッド内で2液を混合・押し出し、積層と同時に硬化させることで、従来はFDM方式では難しかったシリコン造形を実現する。
また、Original Prusa XLのマルチツール機構と組み合わせることで、硬質樹脂とシリコンを1回の造形で一体化できる点も特徴だ。防水シール一体型部品や複合構造部品など、従来は複数工程が必要だった製品を効率よく製造できるほか、PLAやPETGをサポート材として利用することで複雑な形状にも対応する。
ヘルスケア、ロボティクス、製造業、試作開発、映画・特殊効果(SFX)などでの活用が期待されている。
最大8ツール対応の次世代マルチマテリアルシステムも披露
あわせて展示される「Prusa Bondtech INDX」は、Prusa ResearchとBondtechが共同開発したPrusa CORE One向けのマルチマテリアルシステムである。

最大8本の独立ツールを搭載し、多色・多素材プリントを1回のジョブで実現する。
ホットエンドを持たない薄型パッシブツールと誘導加熱による非接触加熱技術を採用し、ノズルを数秒で加熱・冷却できるため、糸引きや材料ロスを大幅に低減する。
さらに、完全ワイヤレス構造によってフィラメントの巻き戻しや切断が不要となり、高速なツールチェンジを実現。フレキシブル材料から複合材料まで幅広い材料に対応する。
高温材料対応モデルなど産業向け製品を多数展示
ブースではそのほかにも、最高500℃まで対応する産業用3Dプリンター「Prusa Pro HT90」、大型造形に対応した「Prusa CORE One L」、最大5ツールを搭載できる「Original Prusa XL」を展示する。

Prusa Pro HT90はPEEKやPEKK、PPS、PEI(Ultem)など超高温エンジニアリング材料にも対応し、自動車、航空宇宙、医療分野などを対象としている。
Prusa CORE One Lは300×300×330mmの大型造形エリアと最大60℃の加熱チャンバーを備え、試作開発から治具製作、少量生産まで幅広い用途に対応する。

Original Prusa XLは最大5つのツールを搭載し、水溶性サポート材や材料切れ時の自動切替機能を備えることで、多材料・大型造形を効率よく行える。

完全オフライン運用で知的財産保護にも対応
Prusa Researchの製品はチェコ・プラハで開発・製造されるEU製ハードウェアであり、GDPR準拠の完全オフライン運用に対応している。
研究開発や防衛、航空宇宙、自動車産業など、機密性の高い分野でも知的財産を保護しながら運用できる点を特徴としている。
また、次世代機へのアップグレードキットや保守契約、導入コンサルティングなど、企業向けサポートも提供している。
シェアラボ編集部コメント
今回の展示で最も注目されるのは、日本初公開となるFDM方式のシリコン3Dプリント技術である。シリコンは従来、専用装置による造形が一般的だったが、Prusa XLで硬質樹脂との一体造形が可能になれば、試作だけでなくロボティクスや医療機器、防水部品など幅広い用途への展開が期待できる。また、Prusa Bondtech INDXによる高速マルチマテリアル造形も、生産性向上を目指す製造現場にとって注目すべき技術となりそうだ。
用語解説
| ■ Liquid Filament 液状材料をフィラメントのように供給し、プリントヘッド内で混合・押し出して造形するPrusa Researchの特許取得技術。今回のシリコン3Dプリントでは、2液性シリコンを積層と同時に硬化させる仕組みを採用している。 |
| ■ マルチツール機構 1台の3Dプリンターに複数のツールヘッドを搭載し、材料やノズルを自動で切り替えながら造形する仕組み。異なる樹脂やサポート材を組み合わせた複合造形が可能となる。 |
| ■ 誘導加熱 電磁誘導を利用して金属部品を非接触で加熱する技術。必要なタイミングだけノズルを高速に加熱・冷却できるため、糸引きや材料ロスを抑え、高速なツール交換を実現する。 |
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