3Dプリンター製の「空気を入れないバスケットボール」を発表 ― EOS
アメリカのシカゴに本社を構えるWilson Sporting Goods、EOSなど複数社が共同開発した、世界初となる空気を入れない3Dプリントバスケットボール「3Dエアレスプロトタイプバスケットボール」を発表した。(画像は世界初の3Dプリントされたバスケットボール/出典:Wilson Sporting Goods社)
4社共同で開発された3Dプリントバスケットボール
業界初となる3Dプリント製エアレスバスケットボールは、大手スポーツ用品メーカーWilson Sporting Goods社と、シカゴに拠点を置く3Dデザイン会社のGeneral Lattice社、3DプリンターメーカーのEOS社、後加工会社のDyeMansion社と共同で製作された。
Wilson Sporting Goods社によれば、ボールの重量・サイズ・リバウンド(弾み)は、規定のバスケットボールの性能仕様にほぼ合致しているとのこと。従来のNBA公式球に取って替わるものではなく、あくまで空気を入れる必要のないバスケットボールの製造の可能性と、より広いスポーツ用品分野での3Dプリント技術の有用性を示すものであるようだ。
実際にNBAの公式バスケットボールとして、AT&T スラムダンク コンテストの第1ラウンドで、ヒューストン ロケッツのプレーヤー、Kenyon Martin Jrがこの 3Dプリンター製のエアレスバスケットボールをダンクした。
英語ではあるが、同エアレスバスケットボールの製造秘話はWilson Sporting GoodsのYouTubeで見ることができる。
造形に使用された3DプリンターはEOS社の「P 396」
「3Dエアレスプロトタイプバスケットボール」の造形に用いられたのは、EOS社のSLS方式樹脂3Dプリンター「P 396」だ。
SLS方式は「粉末床溶融方式(PBF方式)」と呼ばれる造形方式の一種で、射出したものを高温の赤外線レーザーで焼き固める造形手法を指す。特徴のある格子状のボールを製造できたのは、金型を必要としない3Dプリンターならではの造形の自由度にあるといえるだろう。
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