APPLE TREE、LiDAR方式3Dスキャナー「Raven」の販売開始 歩きながら広範囲の空間を3Dデータ化

2026年6月2日
出典:APPLE TREE、3DMakerpro
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APPLE TREE株式会社は2026年5月28日、3DMakerpro製のLiDAR方式3Dスキャナー「Raven」の販売を開始した。Ravenは屋内外の空間スキャンに対応したポータブル3Dスキャナーで、歩行しながら広範囲の3Dデータを取得できることが特徴だ。建設、不動産、設備管理、映像制作など、多様な分野での活用が想定されている。

最大約50mのスキャン半径に対応

RavenはLiDARシステムを採用し、最大約50mのスキャン半径と広い視野角を実現している。SLAM(自己位置推定・地図作成)技術により、ユーザーが移動しながらでも連続的に空間情報を取得できる。

従来の据え置き型測定機器と比較して、広範囲の現場を短時間でデータ化できる点が特徴である。建設現場の進捗管理や施設管理など、広いエリアを扱う用途での利用が期待される。

カラー点群データの取得に対応

本体には1/2インチ・12MPのカメラを搭載しており、RGB情報を含むカラー点群データの生成が可能だ。

形状データだけでなく色情報も取得できるため、現場の状況をより直感的に把握しやすくなる。取得したデータはデジタルツインやバーチャルツアー、映像制作向けの空間データ作成などに活用できる。

約1.1kgの軽量設計を採用

Ravenの本体重量は約1.1kgで、持ち運びや現場作業を考慮した設計となっている。

長時間のスキャン作業や移動を伴う測定業務にも対応しやすく、着脱式バッテリー構造を採用することで運用面の利便性も高めている。

また、3.9インチのAMOLEDタッチスクリーンを搭載し、スキャン状況の確認や各種設定を本体上で行える。

出典:APPLE TREE、3DMakerpro
出典:APPLE TREE、3DMakerpro
出典:APPLE TREE、3DMakerpro
出典:APPLE TREE、3DMakerpro

Eagleとの違いは携帯性と運用スタイル

APPLE TREEが取り扱う同社製3Dスキャナー「Eagle」と比較すると、Ravenは軽量性と現場での機動力を重視した設計となっている。

Ravenは約1.1kgの軽量ボディと着脱式バッテリーを採用する一方、Eagleは約1.5kgの一体型設計を採用している。

また、Ravenは12MPのSonyセンサーによるカラー点群取得に対応し、Eagleは48MPカメラによる8Kパノラマ撮影を特徴としている。利用目的によって適したモデルが異なるため、用途に応じた選択が重要となる。

用途に応じて選べる3モデルを展開

Ravenシリーズは用途に応じて3つのモデルをラインアップしている。

  • Standard(カメラ1台)
  • Max(カメラ2台)
  • Max RTK(RTKモジュール搭載)

測量精度や運用環境に応じて最適なモデルを選択できる構成となっている。

建設からゲーム開発まで幅広い用途を想定

Ravenの主な活用シーンとして、建設現場の進捗管理や現況記録、不動産物件の3Dデータ化、設備・プラントの保守点検、映像制作やゲーム開発向けの空間データ取得などが挙げられている。

近年はデジタルツインやBIM、XRコンテンツ制作の需要拡大に伴い、空間データ取得技術への注目が高まっている。Ravenはそうした市場ニーズに対応するLiDARスキャナーとして位置付けられる。

編集部コメント

3Dスキャナー市場では、これまで小型部品や人物の形状取得を目的とした製品が多く展開されてきた。一方で、建築物や工場設備などの大規模空間を効率的にデータ化したいという需要も拡大している。

RavenはLiDARとSLAM技術を組み合わせることで、歩きながら広範囲の空間を記録できる点が特徴だ。建設業界のデジタルツイン構築や不動産分野のバーチャルツアー制作など、今後成長が期待される分野での活用が進む可能性がある。

用語解説

■ LiDAR(ライダー)
レーザー光を照射し、その反射時間から対象物までの距離を測定する技術。周囲の形状を高精度に計測できるため、自動運転や測量、3Dスキャンなど幅広い分野で活用されている。
■ SLAM
Simultaneous Localization and Mappingの略。センサー情報を活用しながら自己位置推定と地図作成を同時に行う技術で、ロボットや自動運転車、モバイル3Dスキャナーなどに利用されている。
■ 点群データ
3次元空間内の座標情報を大量の点として記録したデータ形式。建築、測量、製造業などで3Dモデルの作成や現況把握に利用される。

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