医療機器メーカー・rms Companyが3D Systemsの金属3Dプリンターを追加導入
米国最大級の医療機器メーカーであるrms Companyは、3D Systems社の金属3Dプリンター「DMP Flex 350 Dual」を新たに導入することを発表した。従来より幅広く業界ニーズに対応していくことを目指す。
金属3Dプリンターを導入した「rms Company」とは
医療機器として一般にイメージされるものとしては、注射器などの消耗品や内視鏡検査装置などの電子機器が挙げられるだろう。rms Companyではこうした医療機器の生産・販売のみならず、検査用ソフトウェアの開発や、医療機器のオーダーメイド生産、コンサルティングも行っている。
そんなrmsの幅広い生産能力の一端を担うのが、3Dプリントだ。rmsでは4年ほど前から3Dプリンターによる生産体制確立を進め、現在、rmsが保有する3D SystemsのDMP 3D プリンターの数は30台以上となる。
日々進歩する医療技術に対し、医療機器に対するニーズも常に変化している。3Dプリンターはこうした医療業界のニーズを適切に受け止め、素早く対応するためのツールでもあり、同社は24 時間 365 日の生産サイクルで常に3Dプリンタ―を稼働させているとのこと。
rmsが導入した「DMP Flex 350 Dual」
rmsが既存の3Dプリンタ群に加えて新たに導入したのが「DMP Flex 350 Dual」。DMP Flex 350 Dualは金属粉末床レーザー溶融結合方式の3Dプリンターだ。2つのレーザーを同時に照射できることで高い精度を有し、多種金属を利用でき、大型部品の製造が可能である。DMP Flex 350 Dualの活用により、チタンを用いた小型の脊椎用インプラントや大型の四肢用・関節用インプラントの製造などにおいて大幅な生産性向上が期待できる。
rmsと3D Systemsの関係性
3D Systemsは、これまでのrmsにおける3Dプリント生産体制確立にも大きく関わってきた。
今回新たにDMP Flex 350 Dualを導入することとなったが、これまで培ってきたプロセスパラメータを変更することなく、スムーズに新設備を導入できることはrmsにとって大きなメリットだ。また、rmsは医療製品の製造から梱包まで、エンドツーエンドの価値提供を行っている。プロセス全体を統制し、生産効率を高めるにあたって、3D Systemsは重要な役割を果たしてきたとのこと。
3D Systemsは3Dプリント装置とその周辺プロセスを統制するシステムを自社開発し、稼働状況の監視と品質管理を行っている。滅菌など、他業界にはない品質水準を求められる医療業界において、その水準を高いレベルでキープできる3D Systemsの技術は今後も大きな手助けとなるだろう。3D Systemsは3Dプリンターの装置メーカーながら、その周辺プロセスの自動化や統合制御に比重を置いている。
3D Systemsの事業展開については以下の記事も参考にしていただきたい。
国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。